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京劇観劇レポート:「覇王別姫」&「孫悟空三借芭蕉扇」

春節間近の寒い夜、湖広会館で京劇を見る!

湖広会館画像

 凝った造りの入口をくぐると朱塗りの柱が並んだ回廊で、その奥に舞台のある戯楼があります。華やかな舞台の背景は黄色の絹に刺繍された龍と鳳凰で、緑の柱と赤の欄干が縁取っています。古い木造建築に高い天井は空間の広がりを感じさせてくれます。戯楼に入るとチャイナドレスの女性が正方形のテーブルに案内してくれます。テーブルに並ぶ食べ物は新鮮な果物と密漬の果物そして小麦粉を使った焼き菓子でした。ポットにはお茶が入り、それを蓋付きの茶碗でいただきます。

覇王別姫画像

 突然、楽隊の弦楽器の調弦の音が聞こえて来たかと思うと舞台が明るくなりました。けたたましい銅鑼と太鼓の音が鳴り響き京劇の始まりです。一つ目の演目は「覇王別姫」。四面楚歌の中酒宴が開かれ、虞姫が剣舞を舞って今生の別れを惜しみます。京胡の奏でる旋律に乗って細く高い声で虞姫が唱い、白と黒の隈取の覇王は地に響く力強い声で答えます。最後の剣舞は激しい動きの中にも虞姫の悲しみが表現されていて圧巻です。

孫悟空三借芭蕉扇画像

 十分間の休憩の後、二つ目の演目「孫悟空三借芭蕉扇」が始まりました。先ず登場したのは孫悟空で、とんぼを切って見得を張ります。身軽な物腰はまさにサルです。客席に向かって口上を述べたあと、出てきたのは怒りに燃えた鉄扇公主。あれよあれよという間に大立ち回り。キラキラ光る大きな冠をかぶった鉄扇公主がくるくる回り、孫悟空が飛びます。立ち回りの合い間に時折高い声で孫悟空を責めるように唱う鉄扇公主に対し、臆面もなくサルの仕草で答える孫悟空の対決は激しい立ち回りの中にもペーソスを感じます。
 舞台の上部の電光掲示板には中国語と英語の字幕が出ており、貸し出しで日本語解説のヘッドホーンもあるので中国語がわからなくても大丈夫でした。みなさんも京劇の音と響きに浸れる戯楼で楽しいひと時を過ごしてみてはいかがですか。

(2006年3月号掲載)

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